1. 概要
レセヘルパーjsは、レセプト(電子診療報酬明細書)ファイル内のデータに基づき、診療行為と傷病名の間に整合性があるかをチェックし、病名記載漏れの可能性を検出するためのクライアントサイドWebアプリケーションです。
セキュリティとオフライン利用について
本ツールは全ての処理をブラウザ内で完結させます。読み込まれたファイルや医療情報が外部のサーバーに送信されることは一切ありません。
一度マスターファイルを別途ダウンロードすれば、以降、本アプリケーションの利用にインターネット接続は不要です。
2. 事前準備
本ツールを利用するには、厚生労働省が提供する最新のマスターファイルが必要です。
- 以下の公式サイトから、3種類のマスターファイルをダウンロードします。
- ダウンロードしたzipファイルをそれぞれ解凍します。中にあるCSVファイル(
s*.csv
,y*.csv
)およびテキストファイル(b*.txt
)を使用します。 - 動作テスト用に、2025年4月時点のマスターファイルを添付しています。
3. 基本操作フロー
操作はすべて、ファイルをドラッグ&ドロップすることで行います。
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Step 1: マスターファイルの読み込み
index.html
をブラウザで開きます。準備した3つのマスターファイル(s*.csv
,y*.csv
,b*.txt
)を、画面右上の「ファイルドロップエリア」にドラッグ&ドロップします。正常に読み込まれると、画面左上の「定義ファイル」シグナルが赤から緑に変わります。
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Step 2: レセプトファイルの読み込み
チェック対象のレセプトファイル(
*.uke
形式)を、同じく「ファイルドロップエリア」にドラッグ&ドロップします。読み込みが完了すると、「レセプト」シグナルが緑に変わり、左下の「患者リスト」に患者名の一覧が表示されます。この時点で、全患者に対する簡易的な病名漏れチェックが実行され、リストの各項目が色分けされます(緑:問題なし / 赤:要確認)。
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Step 3: 詳細チェック
「患者リスト」から確認したい患者をダブルクリックします。
画面中央にその患者の「病名リスト」が、右側には「レセプトリスト」(診療行為・医薬品)が表示されます。「レセプトリスト」内で、病名漏れの疑いがある項目は赤くハイライトされます。
4. 応用操作:学習とデータ管理
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Step 4: ルールの学習・カスタマイズ
判定ロジックは、内蔵されたルールに基づいていますが、これを現場の状況に合わせてカスタマイズ(学習)できます。
注意事項
初期状態ではアプリに病名漏れ判定の知識は全くありません。各医療機関の運用状況・処方内容に合わせて一から教育してください。
「レセプトリスト」で赤くハイライトされた項目(または任意の項目)をダブルクリックすると、学習ダイアログが表示されます。ダイアログには、その患者が持つ傷病名の一覧が提示されるので、紐付けるべき正しい傷病名を選択します。対応する傷病名が不要な場合は「無し」を選択してください。
この操作により内部ルールが更新され、以降の判定に即時反映されます。
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Step 5: 学習データのセーブ・ロード
カスタマイズしたルールは、ブラウザを閉じると失われます。継続して利用するには、学習データをファイルとして保存する必要があります。
「学習データをセーブ」ボタンをクリックすると、全てのマスター情報と学習済みルールを含むファイル(
学習データ.RH
)がダウンロードされます。動作テスト用に、添付のマスターファイルといくつかの学習データを含む「
サンプル学習データ.RH
」が添付されています。これを読み込むことで、すぐに詳細なチェック機能を試すことができます。次回の利用手順
次回以降は、3つのマスターファイルを個別に読み込む代わりに、この保存した
学習データ.RH
をドラッグ&ドロップするだけで、全ての定義と学習状態を一度に復元できます。